先物会社の卑劣な違反行為の一例
先物被害者からの質問・・・
ある日突然、40歳以上も年下の学校の後輩が訪ねてきました。私はいろいろと可愛がってやりました。
が、私はいつの間にか家内と二人の老後資金をすべて、この後輩の勧める先物会社を介した相場に注ぎ込む羽目となりスッカラカンになってしまいました。
家内に申し訳なく自殺をしてその保険金を家内の老後資金に充てようかと真剣に考えています。
ところで、これは初めから先物会社に仕組まれた罠であったのでしょうか?
お答え・・・
これと類似したケースの殆どが初めから仕込まれた罠と思って差し支えありません。人の恩を仇で返すとはまさにこのことです。
実は、これに類似した質問事項が非常に大切であるのは十分かっていながら、当会としてはスペースをあまりにも多く取り過ぎることから掲載を差し控えておりました。
しかし、この勧誘テクニックはこの上なく卑劣な手口であり、且つ、横行が目立つため、この罠の最も代表的なパターンを、実話を基にストーリー仕立てで下記に紹介することにしました。
ストーリーの登場人物・・・
佐 藤=男/65歳/無職/年金生活者/妻と二人暮らし/生真面目コツコツタイプ
鈴 木=男/23歳/大学卒業後に先物会社へ勤務/一見して好青年
田 中=男/35歳/先物会社のベテラン社員/鈴木の上司/一見紳士
高 橋=男/28歳/先物会社の中堅社員
ストーリー・・・
ある日突然、佐藤の自宅に鈴木なる青年が「僕は最近こちらの地域に転勤になりました。でも、知り合いが一人もいないので寂しい思いをしていましたし、何かと不便を感じていました。そうしたところ、この地域に母校の先輩にあたる佐藤様がお住まいになっていることを偶然に知りました。そこで、一度も面識がない上に突然の訪問で失礼かと思いましたが、近くに来たついでに挨拶に参りました・・・」と卒業証書を持って訪れる。 佐藤は鈴木に対して今時珍しい律儀な好青年という印象を受けたのと、40歳以上も年下の後輩に頼られることに悪い気がしなかったこともあり、好感を持って鈴木を部屋に上げお茶を差し出した。それを機に佐藤家と鈴木との交際が始まり、鈴木は週に1~2回佐藤の自宅を訪れるようになった。佐藤は鈴木に夕食や酒、妻の手料理などを振舞い、鈴木からの人生相談にも親身になり乗ってあげたりした。一方鈴木は休日などに佐藤夫婦が遠出する時など車の運転を買って出たりした。
そして、2ヶ月位が経過したある日、佐藤は犬の散歩の途中で、鈴木が上司の田中と一緒に仕事の外回りをしていたところに遭遇する。鈴木は「私の上司の田中です・・・」と田中を佐藤に紹介した。田中は佐藤に「佐藤様のことはかねがね鈴木からうかがっております。鈴木が大変お世話になっておりますようで、私からもお礼を申し上げます・・・」と丁重に挨拶をする。佐藤は田中のことも鈴木同様に好感の持てる人物という印象を受けた。 そして数日後、佐藤は鈴木から「今、商品取引所から電話をしているんですが、商品取引所では大変注目すべき先物相場の動きが起きています。ついては、この件で佐藤様に日ごろの恩返しができると思いますので今夜ご自宅に伺います・・・」という内容の電話をもらう。その電話の向こうからは商品取引所の立会人の大きな声が飛び交ったり、時折、怒涛のような歓声も聞こえたりして、騒然とした様子が伝わってきた。だから今、先物相場で大変な値動きがあることは素人の佐藤にも分かった。 その夜、鈴木が田中を伴い佐藤の自宅を訪れる。田中は佐藤に「外国の〇〇で△▽という事態が起きました。ですから、ガソリン相場が高騰するのは必至です。これは10年に1度あるかないかの大商いになります。ついては、日ごろお世話になっている佐藤様を是非とも儲けさせてあげたいと鈴木から強く頼まれましたのでこうして説明をしに伺った次第です。儲かることはあっても絶対に損はしません。この絶好のチャンスに100万円だけでも投資をしてみて下さい・・・」と、先物取引への勧誘の説明をした。佐藤は家内と二人で蓄えた老後資金が十分にあったので、今更お金を増やそうなんて気は更々なかった。また、先物取引の知識など全くなかったし、田中の説明にも半信半疑であった。しかし、鈴木の折角の好意を無にするのは悪いという気持ちが強くあったのと、最悪100万円を損するだけで済むという軽い気持ちから、その日のうちに契約書類へのサインを済ませ、翌日には鈴木へ約100万円を手渡した。 しかし、先物相場は高騰するどころかガソリンの値は下がり続けた。それでも佐藤は、鈴木の「絶対に値は上がります。もし、最終的に損失を被ったら当社が負担します・・・」という言葉を信じて追証金を払い続けた。その裏では鈴木が、佐藤から頼まれてもいない両建てや、ガソリン以外の銘柄を買うなど、勝手な売買を行っていた。その結果、取引を開始してから2ヶ月を過ぎたころ佐藤の持出金額は1千万円を超えていた。 その時点で佐藤は鈴木に対して、「もう決済してほしい。約束してくれた損金の補填は全額ではなく半額だけで結構だから・・・」と申し出る。しかし、鈴木は何だかんだと言葉巧みに理由を並べ、「正式に損金保障をした覚えはない・・・」と手のひらを返す。さらに鈴木は、「今決済をしたんでは1千万円をみすみす損することになって勿体ない。奥さんにだって内緒で取引していたことをどう弁明するのですか。今までは不運がたまたま重なっただけ。これからは必ず損失を取り戻せます。それどころか必ずプラスに転じさせます・・・」と、決済に応じないどころか、奥さんに暴露するようなことまでほのめかす。佐藤には奥さんに知られては困るという不安と、早く損失を取り戻さなくてはいけないという焦りがあった。また、そうした不安と焦りから正常な判断力が著しく欠けてしまってもいた。 その結果、佐藤は鈴木の言いなりになってしまい気が付いてみれば半年後、佐藤は1000万円はおろか貯えてあった老後資金の約4000万円のすべてを先物取引に注ぎ込み失っていた。それどころか、佐藤は何回にも及ば取引で生じた追証金の支払いで借金までする羽目となり、最終的には200万円の追証金を捻出できない状況にまで追い込まれていた。
それを機に鈴木からの連絡はバッタリ途絶え、佐藤が先物会社へ何回連絡をしても、「鈴木は急に転勤になりました。ついては、佐藤様の担当は高橋が引き継がせていただきます・・・」の一点張りだった。結局、鈴木の転勤先は企業秘密ということで教えてもらえなかった。
そして、佐藤が取引で生じた追証金を支払えず1週間が過ぎたころ、高橋から「早く追証金を支払っていただかないと困ります。支払わないでいるといつまで経っても決済できないわけですから、さらに追証金が発生することになり莫大な金額を請求することになります・・・」と脅しの電話が入る。佐藤は高橋に「もうこれ以上お金は捻出できないので、このままで決済してほしい・・・」と頼み込む。すると高橋は、「それでは私から上司に頼んでみますので、明日逢うことにしましょう・・・」と返答した。 翌日、高橋は佐藤に逢って、「この200万円も含め、今後、佐藤様が一切金銭の支払いをしないでいいという前提で決済できるよう、私が上司を説得しました。ただし、一つだけ条件がありまして、佐藤様が『弊社に対し今後一切損失金の返還請求をしない・・・』と記した、この和解契約書にサインしていただかなくてはなりません・・・」と説明する。佐藤は不本意ではあったが、この先物取引の地獄から一刻も早く脱出したいのと、今後に起こりうる莫大な請求金額の恐怖感から仕方なくその和解書にサイン、捺印をした。佐藤はそのころには、以前69Kgあった体重が51Kgにまで激減し、精神的にもまるで廃人のようになってしまっていた。ちなみに、先物取引に注ぎ込んだ老後資金は、佐藤と奥さんとがつつましい生活をしながら共稼ぎによってコツコツと貯めてきた30年間の血と汗の結晶であった。
・・・ストーリーはこれで完結・・・
読者はもうお分かりですね・・・
上記のストーリー は結局、始まりから終わりまでの全編が先物会社の鈴木と田中が仕組んだ巧妙な罠で構成されていました。この話の中で起きた出来事は全部が計画的なものであり、偶発的な出来事は一つとしてありません。
初めに鈴木が佐藤宅を訪れたのも、先物会社はこの手法のために各種の名簿を買い集めていたのです。実際、先物会社の中には社員を募集する際には、その応募者の持つ営業能力よりも、応募者が卒業した学校の先輩たちは社会的にどのくらいの経済的地位にあるのかということを採用基準にしている会社があるほどです。 飲食のご相伴にあずかったり、運転を買って出たりするのはまだ許されるとしても、出まかせの人生相談をデッチ上げそれに親身になって乗ってもらうなど、あまりにも卑劣でありまともな人間のやることとは思えません。
犬の散歩の途中で鈴木と田中が佐藤と遭遇したのも、佐藤の日課である犬の散歩コースと時間を予め調べ二人で待ち伏せをしていたのです。 極めつけは鈴木が佐藤にかけた商品取引所からの電話です。この電話で佐藤に聞こえた騒然とした様子は、実は予め録音してあったテープを電話口で流しながら芝居をしたのです。当会ではこれと類似したケースの相談が寄せられた際には、その問題が発生した日時に商品取引所が騒然とした事実があったか否か調査しております。が、これまでに報告と事実が一致したケースは皆無でした。そもそも、10年に1度あるかないかの大商いがひと月に何度もあること自体あまりにも馬鹿げています。なお、商品取引所からかけているとう偽電話の手口は完全なる詐欺行為に当たります。
また、取引途中で担当者がころころと何人も変わるのは先物会社の常套手段です。
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